こちらの記事では硯の見分け方の一例として端渓硯についての見分け方について記載しております。硯を見分ける時の参考にして下さい。
硯を見分けるポイントの一例
後世に受け継がれていくような優れた硯を見分けるポイントはいくつもあります。こちらでは、硯の最高峰と評され、数十万から数百万円の値が付くこともある端渓硯(たんけいけん)を例に挙げて考えてみましょう。
実用性
硯は実用にかなったものかどうかも、品質の良さを見分ける基準になります。端渓硯の場合ですが、過剰なまでに彫刻が施されていたり、硯が大きく存在感があるだけで実用的な形をしていないものは偽物の可能性があるようです。端渓硯が良い硯とされるのは、墨が早く下がる・磨る力が衰えない・墨が良く伸びる・磨った後の墨色が良い・筆先が痛みにくいなどの使用感が関係しています。硯としての実用性があることが大前提で、それに美しさや希少性を兼ね備えたものが、価値の高い優れた硯となります。
生産された年代
硯は一般的に、100年以上前に作られたのが「古硯」、それよりも新しいものが「新硯」といわれます。古硯は観賞用や調度品として高い価格がつけられるものが多いですが、新硯は実用的に使われることがほとんどです。端渓硯は、西暦1600年代中盤から1990年代初頭の清の時代につくられた「古端渓」が数十万円から数百万円、それ以降に生産された「新端渓」は5万円から10万円ほどで取引されています。
産出された場所
端渓硯は、三代名坑といわれる「老坑(水巌)」「坑仔厳」「麻子坑」から産出されたものが、価値が高いとされます。三代名坑で産出された硯は、王朝期時代の皇帝や高級官僚が好んで使っていたものが多く、現在でもその価値が認められており、高値で取引されることが多いようです。
石紋
本物の端渓硯を見分ける大きなポイントとなるのが、独特の石紋です。「石疵」と呼ばれる細かなまだら模様の斑紋の石紋や、茜色の線状の模様に見える火捺、鳥の目に似た石眼などの模様があります。他の石質の硯には表れないため、模様があるかどうかで本物か偽物かを判断できるでしょう。
色味で見分けるのは難しい
端渓硯は、馬肝色(ばかんしょく)といわれる紅色や紫色が交じり合った独特の石の色をしていることはよく知られていますが、偽物の端渓硯でも同じような色のものがあります。単に色を見て本物かどうかを判断するのは難しいので、高級硯の可能性があるものは特に、専門家などに鑑定を依頼した方が無難です。
硯の見分け方についてのまとめ
硯は骨董品としての価値も認められますが、同時に、書道に欠かせない道具でもあります。実際、「硯 見分け方」と検索すると、実用・観賞用両方の見極め方についての情報が見つかります。自分の方向性に合った情報が掲載されているサイトや書籍などで判断し学ぶ事が大切です。
また、硯のお手入れ方法についてはこちらの記事をご参考下さい。
硯のお手入れ方法や硯の洗い方について解説
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