茶道具とは、抹茶や煎茶を問わず茶道に用いる道具の総称です。茶道具は買取依頼の骨董品の一つですが、その歴史についてはあまり知られていません。
そこで本記事では、茶道具の歴史で知っておきたい出来事を紹介します。また茶道具における高価買取のポイントも見ていきましょう。
1.茶道具は茶道に用いる道具の総称
2.茶道具の歴史で知っておきたい3つの出来事
2-1.茶道具の歴史は茶道とともに始まった
2-2.戦国大名や武将たちの中で大流行
2-3.千利休の登場で大きな転換期を迎える
3.茶道の歴史を支える5つの茶道具
3-1.点前道具
3-2.懐石道具
3-3.装飾道具
3-4.待合用具
3-5.水屋道具
4.茶道具の高価買取ポイントは3つ
4-1.付属品の有無
4-2.希少性
4-3.保存状態の良し悪し
5.茶道具の買い取りは永寿堂がおすすめ!
6.まとめ
茶道具は茶道に用いる道具の総称
茶道具とはお茶の種類は問わず、茶道に使用される道具の総称です。茶道具は大きく次の5つに分かれます。
- 装飾用具
- 点茶用具
- 懐石用具
- 水屋用具
- 待合用具
茶道は「表千家」と「裏千家」の2つの流派に分かれており、流派によっても使用される茶道具が異なります。さらに季節にあわせて図柄や形で使い分けられるなど、茶室や茶会には欠かせないものばかりです。
茶道具の歴史で知っておきたい3つの出来事
中国から日本に伝わったとされる茶道具は、今でも継承されています。由緒ある茶道具は骨董品としての価値が高く、国宝や重要文化財に指定されるものもあるほどです。
そんな茶道具の価値について正しく理解するには、歴史上の3つの出来事をおさえておくべきでしょう。ここでは、戦国大名や戦国武将も関係している出来事について詳しく紹介します。
1.茶道具の歴史は茶道とともに始まった
茶道具の歴史は、茶道とともに始まりました。茶道は中国から日本に伝わったとされており、実際に初期の茶道具の多くには「唐物」が使用されています。唐物とは、中世から近世にかけて中国から日本に渡った輸入品の総称です。
そして日本の伝統文化の発展に伴い、平安時代末期には日本でも茶道具が作られるようになりました。中国禅宗五家の一つである臨済宗を開いた「栄西」が、禅と一緒に「抹茶法」を伝えたとされています。
当初は貴族の楽しみであった茶道は一般にも広まり、コミュニケーションの手段として広く用いられるようになったのです。
2.戦国大名や武将たちの中で大流行
織田信長や豊臣秀吉などが活躍した戦国時代には、戦国大名や武将たちの間で茶道具が大流行しました。領地や黄金などに代わる戦の功労を賞して贈ることで、織田信長が認めた証としていたのです。
その結果として、戦国武将にとって茶道具は大変価値の高いものとなっていきました。また高名な茶道具をどれだけ収集できるかが、大名や武将たちの社会的地位を表すものにもなっていきます。
この頃の有名な茶道具として「初花」や「楢柴」、「新田」と呼ばれる濃茶のための抹茶を入れておく器がありました。この3つの茶入れを示す「天下の三肩衝」を手に入れることが、権力の象徴にもなっていたほどです。
武将の中には、茶道具のために人をあやめてまで手に入れようとする者もいました。茶道具は、それほどまでに価値の高いものとして扱われていたのです。
3.千利休の登場で大きな転換期を迎える
戦国時代の終わりから江戸時代が始まるまでの時期である安土桃山時代には、「侘び茶」の完成者として知られ、茶聖とも称せられる「千利休」が登場します。
この千利休の登場は、茶道具の歴史を大きく変えたといっても過言ではありません。当時、天下人として君臨していた織田信長に仕えていました。
しかし「本能寺の変」によって織田信長が倒れ、その後は豊臣秀吉が天下統一を果たします。それと時期を同じくして、千利休は豊臣秀吉に仕える天下一の筆頭茶頭となったのです。
その後千利休は、茶道の様式の一つとして有名な侘び茶を大成しました。その結果として、それまで唐物が絶対的な価値を有していた茶道具にも変化が生じます。
千利休が自ら創作する「和物」の茶道具に大きな価値が付くようになるのです。日本における茶道具の歴史は、この頃が最高潮であるといえます。
その後も多くの名工によって茶道具が作り出されているものの、千利休を超えるものは登場していません。それほどまでに、この時代に起きた変化が茶道具に与える影響が大きかったといえるでしょう。
茶道の歴史を支える5つの茶道具
前述のとおり、茶道具は茶事に用いる道具の総称であり、主に次の5種類に分けられます。
- 装飾用具
- 点茶用具
- 懐石用具
- 水屋用具
- 待合用具
これらの茶道具の中には、ガラスや漆塗で飾りとして用いられる作品が多く存在します。茶道具を美術品として鑑賞するために、茶席にお客様を招くこともありました。ここでは、茶道の歴史を支える5つの茶道具の内容を解説します。
1.点前道具
点前道具とは、お茶を点てる道具全般を意味します。点前道具に該当する主な道具は次のとおりです。
- 茶碗:お茶を立てて飲むための器
- 茶入:濃茶を入れる陶製の小壺
- 茶筅:茶入や薄茶器から抹茶をすくい、茶碗に入れるためのさじ
- 釜:茶事で湯を沸かすための鉄製の道具
- 水指:茶碗をすすいだり、水や釜に水を足したりするための道具
いずれも産地や焼き方によって、さまざまな種類が存在します。
2.懐石道具
茶の湯の場で供される料理を懐石と呼び、その懐石に利用される器を懐石道具と呼びます。
懐石道具に該当する主な道具は次のとおりです。
- 膳:一人前の食器と食物を載せる台
- 椀:ご飯物や汁物、煮物などを入れるお椀
- 飯器:杓子が添えてあり、蓋の付いた低い寸胴形のめしびつ
- 酒器:酒を入れて注いだり、飲んだりするための道具
現在でも懐石道具は、精進料理を供する茶事などで用いられています。
3.装飾道具
装飾道具とは、茶事を行う場において床の間を飾るための道具を意味します。装飾道具に該当する主な道具は次のとおりです。
- 掛物:床の間や壁などにかけるために作った書や画。掛軸も掛物の一種
- 花入:茶席を飾る花を活ける器
- 香炉:お香を焚くために使用される器
装飾道具は茶席の趣旨や目的、季節感を演出するために重要な道具です。
4.待合用具
待合用具とは、待合や露地でお茶などを出すために使われる道具を意味します。待合用具に該当する主な道具は次のとおりです。
- 煙草盆: 喫煙に必要な火入れや灰落し、たばこ入れ、きせるなどをまとめた盆
- 火入:煙草につける火種を入れておく器
- 円座:露地の腰掛で座る際に用いる丸い敷物
- 露地草履:竹皮や藺草を二重に編んで作った草履
- 蹲踞柄杓:手水鉢の水を汲むための柄がついた容器
江戸時代には商人の寄合や旅人の送迎などの待合せ場所として「待合茶屋」があり、そこで煙草盆や円座などが利用されていました。
5.水屋道具
水屋道具とは、茶室の勝手や台所などの水屋で用いる道具を意味します。水屋道具に該当する主な道具は次のとおりです。
- 茶巾盥:茶碗をぬぐうのに使う麻のふきんを洗い清めるためのたらい
- 茶掃箱:茶入や薄茶器に抹茶を入れるための用具一式を入れる箱
- 箱炭斗:木炭を小出しするための入れ物
水屋は茶室でお茶を点てるための準備や器物を納めるための場所です。よって、すぐに道具を取り出せるように水屋道具によって整理整頓がされていました。
なお、流派や季節によっても利用される茶道具が異なります。茶道具の種類について深く知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
茶道具の高価買取ポイントは3つ
「長年しまい込んでいた茶道具が歴史的に価値のある一品であった」というケースも少なくありません。ご自身では判断が難しい茶道具の価値を知るには、プロによる買取査定がおすすめです。茶道具の高価買取におけるポイントは次の3つです。
- 付属品の有無
- 希少性
- 保存状態の良し悪し
物によっては驚くような査定価格が付く場合もあります。ここでは、各ポイントの詳しい内容について見ていきましょう。
1.付属品の有無
茶道具に関する付属品の有無は、買取価格に大きく影響するポイントの一つです。特に保証書の意味合いを持つ「箱」や「箱書き」があるかどうかは、価値に直結します。そもそも家元の箱書きを貰わなければ、茶会で使用する茶道具としては認められません。
さらに包み布や仕覆などが揃っていたり、包み布に作家の印が押されていたりするとさらに茶道具としての価値を高めます。
2.希少性
有名な偉人や人間国宝の受賞者、それに準ずる有名陶工などの作品は希少性が高く、高額買取につながりやすいです。中には、オークションなどの市場に出れば数億円で落札されるされる茶道具も存在します。
ただし高い価値を持つ茶道具でも、一見では「これは売れないだろう」と感じるようなものもあるでしょう。見た目だけで判断せず、まずはプロの正しい目で希少性を判断してもらってください。
3.保存状態の良し悪し
希少性の高い茶道具であったとしても、保存状態が悪いと買取価格が下がる可能性もあります。外観に汚れや傷、破損などがないかを確認してみてください。
古くて傷みがある茶道具でも、場合によってはより味わい深いと判断され、価値が高まる場合もあります。モノによっては驚くような高額査定となるケースもあるため、まずは買取業者に相談してみてください。
茶道具の買い取りは永寿堂がおすすめ!
茶道具の買い取りを検討する場合は、「永寿堂」にぜひご依頼ください。永寿堂には独自の販売ルートがあり、専門知識や経験、データを元に適正な価格で買い取ります。出張買取にも対応しているため、壊れやすい茶道具を持っていても安心です。
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まとめ
織田信長や豊臣秀吉、千利休といった歴史上の人物たちとも関係の深い茶道具の中には、高い価値を持つものがあります。ただし、ひと口に茶道具といっても多くの種類に分けられ、茶道に詳しくないとその価値に気付きにくいものです。
ご自宅にある茶道具が歴史的に価値の高い逸品である可能性は十分にあります。ご自身で判断が難しい茶道具も数多くあるため、まずは骨董品に強い買取業者に相談してみてください。
弊社「永寿堂」では、茶道具の査定や買取を積極的に実施しています。不要になった茶道具でお困りの場合は、ぜひご相談ください。
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