茶釜とは?種類による形の違いや茶道具としての使い方、価値を解説

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茶釜とは?種類による形の違いや茶道具としての使い方、価値を解説

茶釜は、茶道で重要な役割を持つ道具の一つです。お湯を沸かす茶釜を正しく使い、手入れ方法を守ることで、美味しいお茶を淹れることができるでしょう。本記事では茶釜について、その役割や種類、特徴などを解説していきます。

【目次】
茶釜とは
 茶道における茶釜の役割
 茶釜の基本的な使い方
 茶釜の有名な作家
 茶釜の値段・取引相場
茶釜の種類と形の違い
 芦屋釜
 天命釜
 京釜
価値の高い茶釜の特徴
 古い時代に製造されたもの
 有名作家により作られたもの
 共箱や共布のような付属品が揃っているもの
茶釜の手入れ・保管方法
 1.使用後は湯や水で軽く洗い、底についた灰をを落とす
 2.錆びないようにしっかり乾燥させる
 3.保管するときは裸のまま箱に入れて保管する
茶釜の買い取りなら永寿堂にお任せ下さい
まとめ

 

茶釜とは

茶道で使う茶釜茶道において、茶釜は「お茶を淹れるためのお湯を沸かす」という重要な役割を果たす道具です。茶釜には、正確な温度と湯の量を保つことが求められます。茶釜は茶道の美意識や哲学を反映する作品としても評価されており、有名な作家によって作られた茶釜は芸術品としての価値も高まっているようです。
本章では、茶釜とはどのような道具なのか詳しく解説していきます。

 

茶道における茶釜の役割

茶釜は、茶道具のなかでも特別な存在です。お茶を点てるためには、茶釜で湯を沸かします。つまり、茶釜がなければお茶は成り立ちません。「釜を掛ける」という言い方で、茶会の開催を表現するほどです。
千利休は、「利休百首」という短歌で茶の湯の心得を詠みました。その中で「茶の湯には釜が一つあれば十分で、他の道具を持つことは愚かである」と述べています。茶釜は、茶道においてお湯の音や湯気などを通じて茶室に風雅な雰囲気を演出し、お茶を点てるために欠かせない重要な役割を果たします。そのため、「茶釜こそが茶道の真の主役である」と考える人も少なくありません。

 

茶釜の基本的な使い

一般的な茶釜は、鉄製です。そのため、錆や酸化に弱いという特性を持ちます。汗に含まれる塩分などによって錆びる可能性があるため、持ち運ぶ際には通常、帛紗(ふくさ)や懐紙(ふところがみ)を使用します。
水中に含まれる金属も錆の原因となるため、質の良い井戸水や水道水を使用するのがおすすめです。また、お湯を沸かす際には、冷水を入れた茶釜を直接火にかけると底が割れてしまうかもしれません。できるだけぬるま湯かお湯を通して、茶釜を温めてから火にかけるようにしましょう。

 

茶釜の有名な作

茶釜の買取額は、有名作家の作品であるほど高くなる傾向があります。代表的な有名茶釜作家は、大西清右衛や庄司儀兵衛、中川浄益、和田美之助などです。とくに人間国宝に認定されている作家の茶釜は、高額買取が期待できます。
人間国宝に指定されている茶釜作家は、角谷一圭長野垤志、高橋敬典などです。作家の作品であることを証明するために、書付や花押などによるサインが残っていれば、査定評価はさらに高まるでしょう。

 

茶釜の値段・取引相

茶釜は、骨董品の買取市場において高い需要があります。とくに、製造方法が謎に包まれている芦屋釜や天命釜は、その希少価値から高額で買い取られることが多いです。しかし、実際に市場に出回っているものはほとんどがレプリカでしょう。
良好な状態の芦屋釜や天命釜のレプリカは、買取相場で3万円前後となります。また有名作家の作品は買取相場が高く、人間国宝である角谷一圭の作品は約30万円、京都の大名跡である大西清右衛門の作品は約50万円の価値があります。
ただし、これらの買取相場は保存状態が良く、付属品が揃っているなどの条件が満たされた場合のものです。あくまでも目安程度と考えてください。

 

茶釜の種類と形の違い

茶道の風景本章では、茶釜の種類と形の違いについて説明します。とくに著名な茶釜は、芦屋釜・天命釜・京釜の3つです。芦屋釜は希少価値が非常に高く、茶道具の中でもとくに注目を浴びる存在です。また、天命釜は重厚な作りで知られています。
釜には独自の魅力があるため、本章でその種類や特徴を確認してください。

 

芦屋

福岡県は、古くから釜の生産が行われている地域です。その歴史は古く、鎌倉時代以来から茶釜の製作が始まったと考えられています。その当時には、現在の茶釜の原型となる真形釜が確立されました。鎌倉時代から室町時代初期にかけて、釜には梅などの大柄な文様が彫られるようになり、亀甲や七宝、梅花などが代表的な文様として使用されたそうです。
芦屋釜は、数多くの茶釜の中でも品質の高さや上品なデザインで評価され、人々に愛されました。現在でもその評価は高く、国の重要文化財の指定を受けた芦屋釜は8点です。芦屋釜は茶道具の中でもとくに価値が高く、その美しさと歴史的な価値が称賛されています。

 

天命

「天明釜」とも「天猫釜」とも呼ばれる「天命釜」は、栃木県佐野市の下野国佐野庄天命で作られた茶釜です。どの書き方も「てんみょうがま」と読みますが、これは千利休が遊び心で名づけたと言われています。
鎌倉時代にはすでに釜の生産が行われており、室町時代末には「芦屋釜」とともに広く知られるようになりました。芦屋釜は滑らかな釜の表面に文様が施される一方、天命釜は文様が少なく、やや粗い表面を持ちます。天命釜は、素朴で寂しい趣が好まれたそうです。

 

「京釜」は、京都三条釜座で室町時代末期から江戸時代に作られた茶釜の総称です。「京作」とも称されます。無文で肌が滑らかな京釜は優雅さを感じられる一方、多様な造形や表現も特徴です。
茶人の要望に応じて好みの釜を制作でき、さまざまな創意工夫が施されました。芦屋釜や天命釜とは異なり、作者の名前が明確に記されているのも特徴の一つです。

 

価値の高い茶釜の特徴

価値の高い茶釜価値の高い茶釜には、いくつかの特徴があります。たとえば古い時代に製造された茶釜は、その希少性から高い評価を受けています。また、有名作家によって作られた茶釜も価値が高く、付属品が揃っていることも、買取価格を押し上げる要因です。
本章では、これらの特徴を持つ価値の高い茶釜について、詳しく解説していきます。

 

古い時代に製造されたも

茶釜の中でも、過去に古い時代に製造されたものは、希少価値が高まるでしょう。とくに桃山時代以前に作られた古芦屋釜や古天命釜などは、その買取額も高くなる傾向があります。
ただし、古い時代に作られた茶釜は、経年劣化が進んでいるかもしれません。そのため、取り扱いには注意が必要です。査定を依頼する際には、慎重に扱いながら評価を受けるようにしましょう。

 

有名作家により作られたも

茶釜の裏面などを確認しましょう。作家を示す「銘」が刻まれている場合は、高価な買取が期待できます。
骨董品の中でも「作家物」には高額な買取価格がつきやすいです。人気や需要によっても買取相場が変動するため、作家物であることが分かっていれば、高価な買取が期待できるかもしれません。
たとえば、人間国宝の「角谷一圭」や、室町時代後期から400年以上続く「大西家」の京釜師の作品は有名で、買取価格も高額になることが多いです。

 

共箱や共布のような付属品が揃っているも

茶釜を含む骨董品の買い取りでは、付属品が完備されているほど買取額が高くなりやすいです。茶釜の付属品には共箱や共布、作歴(作家の経歴が記された栞)などがあります。
共箱や共布には、作者の直筆サインや印などが入っているため、それが作品の真正性を証明する大きな要素です。また、釣り茶釜の場合は、鎖も買取対象となることがあります。

 

茶釜の手入れ・保管方法

茶道具を手入れするイメージ茶釜を長く美しく保つためには、お手入れと保管方法が重要です。本章では茶釜のお手入れ・保管方法として、使用後の手入れや錆びへの対策、保管方法について解説します。
お手入れや保管方法に注意することで、長く綺麗な状態をキープできるでしょう。また状態が良い製品ほど、買取価格も上がるためぜひ参考にしてください。

 

1.使用後は湯や水で軽く洗い、底についた灰を落と

鉄製茶釜の手入れの要点は、徹底的に乾かすことです。残った水分は錆の原因となり、茶釜の劣化を早める可能性があります。次のポイントに従って、手入れをおこないましょう。まず使用後は、湯や水を使って軽く洗い、茶釜底の灰を除去します。

 

2.錆びないようにしっかり乾燥させ

茶釜の劣化や錆の原因となる水分をしっかりと乾燥させることが重要です。空になった茶釜を柔らかい布で優しく拭き取り、炉や風炉の残り火や遠火で徹底的に乾燥させてください。茶釜に手の脂が付いた場合は、熱湯でよく洗ってからしっかり乾かしましょう。上記の手入れのポイントを守って、茶釜を綺麗に保管してください。

 

3.保管するときは裸のまま箱に入れて保管す

保管時には湿気を吸いやすくなるため、布や紙に包むのは避けましょう。代わりに風通しの良い場所で保管することをおすすめします。茶釜を箱に収納する場合でも、何も包まずに裸の状態で保管する方が望ましいです。湿気の影響を最小限に抑えるために、これらの対策を取りましょう。
また箱の底部は茶釜に直接触れることを避けるために、十字受けや円座などの構造が多く使用されます。風通しを良くするために、箱に透かし穴を開けることも考慮される場合があります。茶釜を保管する際には、これらの対策を講じることが重要です。

 

茶釜の買い取りなら永寿堂にお任せ下さい

茶釜など茶道具の買取りは永寿堂へ茶道具には、お点前道具の茶碗や茶杓、春から夏に使用される炉、秋から冬に使用される風炉釜、床の間に掛けられる掛軸や菓子器など、さまざまな種類があります。茶道には表千家・裏千家・武者小路千家など500以上の流儀があり、それぞれ異なる茶道具が使用されます。当店では、茶道具全般を取り扱っており、練習に用いられた道具であっても査定可能です。

使っていない茶道具を保管している方は、ぜひ茶道具の買取り店である永寿堂にご依頼ください。

 

骨董品買取専門店 永寿堂へのお問い合わせ先

・TEL:0120-060-510
・メールフォーム:https://www.eijyudou.com/contact/
・LINE ID:@721crjcp

 

まとめ

茶釜についてまとめイメージ茶釜は、お茶を淹れるためのお湯を沸かす重要な茶道具であり、「茶釜こそが茶道の真の主役である」と考えている方もいるほどです。とくに著名な茶釜には芦屋釜・天命釜・京釜の3種類があり、それぞれの異なる特徴を持ちます。
また場合によっては、価値の高い茶釜である可能性もあるでしょう。ご自宅に使われなくなった茶釜が眠っている人は、ぜひ永寿堂のご利用を検討してください。

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