翡翠(ヒスイ)は、艶やかな質感が特徴的な宝石です。緑色が一般的ですが、白や黒、ラベンダーなどさまざまなカラーがあります。
透明度が高い品は高値で取引され、買取市場でも人気です。今回は、翡翠という言葉の意味や特徴、本物と人工物の見分け方などを解説します。手元に翡翠がある方や、買取査定を検討されている方はぜひ参考にしてください。
【目次】
翡翠(ヒスイ)とは?
翡翠は日本の国石
翡翠の意味や石言葉
翡翠の特徴
本来の色は無色透明
親油性が高い
乾燥が弱点
翡翠の種類
ジェダイト
ネフライト
翡翠の価値を決める4つの要素
1.色
2.産地
3.透明度
4.ランク
翡翠の見分け方
光に当てる
鑑別書を確認する
重量感を確認する
質感を確認する
翡翠の買取なら永寿堂にお任せください
まとめ
翡翠(ヒスイ)とは?
翡翠(ヒスイ)は、アジア圏での人気が高い宝石の一種です。5月の誕生石で、パワーストーンとしてブレスレットやペンダントに加工されることもあります。
日本の国石でもある翡翠は、ダイヤモンドやルビーとは違った艶感が特徴です。歴史は古く、縄文時代から使用されていたともいわれています。まずは、翡翠の特徴や言葉の意味、石言葉について確認していきましょう。
翡翠は日本の国石
2016年(平成28年)9月24日、日本鉱物化学会の総会にて翡翠は日本の「国石」に選定されました。国石の条件のひとつとして挙げられるのが、日本で広く知られる国産の美しい石であることです。
翡翠は、日本列島のようなプレート収束域の、冷たい地温勾配の環境下でのみ形成されると考えられています。地球の表面を覆うプレートが、別のプレートの下に潜り込む「沈み込み帯」と呼ばれる場所で産出されるのが特徴です。
日本以外では、ミャンマーやグアテマラ、ロシアなどが翡翠の産出国に挙げられます。日本国内では、新潟県糸魚川市をはじめ、兵庫県養父市や鳥取県若桜町などが翡翠を観察できる地域です。
特に、糸魚川は宝石質の翡翠が採れる日本唯一の場所として、一部のエリアが天然記念物に指定されています。
翡翠の歴史は古く、縄文時代には敲石(たたきいし)として利用されていました。神秘的な力が備わっていると信じられ、指輪やネックレス、数珠などに加工されることも多い宝石のひとつです。
翡翠の意味や石言葉
翡翠という漢字は、宝石のほかに鳥の「カワセミ」を意味します。「翡」はオス、「翠」はメスを表し、宝石の「翡翠」はカワセミの羽の色から付けられた名前です。
また、翡翠には「繁栄・長寿・幸福・安定」などの石言葉があります。石言葉とは、一つひとつの宝石に与えられた象徴的な意味合いのことです。
翡翠はお守りとしての歴史も長く、持ち主の魅力を伸ばす力があるといわれてきました。かつては神聖な儀式などに用いられた宝石です。
特に、中国では「仁・義・礼・智・信」の5つの徳を備えた石として重宝され、有権者たちに愛されてきました。なかでも穴の開いたドーナツ状の翡翠は、天国の象徴だったといわれています。
翡翠の特徴
翡翠は色や材質に大きな特徴があります。色は緑色がメジャーですが、実際には白や青などカラーバリエーションが豊富です。
また、翡翠は親油性が高い一方で乾燥に弱い一面があります。なるべく高い額で買取に出すためには、特徴を理解したうえで適切に保管することが大切です。ここでは、翡翠の特徴とともにお手入れのポイントを紹介します。
本来の色は無色透明
翡翠は本来、無色透明の宝石です。緑や白、青などのカラーは翡翠に含まれる成分の違いによって生まれます。
例えば、翡翠の代表的なカラーである緑色は、オファンス輝石に含まれる微量の鉄やクロムによって生じるものです。青色は、チタンと鉄の影響で現れます。
さまざまなカラーがあるなか、最も価値が高いといわれるのは深緑色の翡翠です。鮮やかで美しいエメラルドグリーンの翡翠は、最高級品にあたる「インペリアルジェイド」と呼ばれます。
一方で、中国やマレーシアでは「アップルグリーン」と呼ばれる淡い緑色の翡翠が好まれています。「アイスジェダイト」と呼ばれる白色に近い翡翠は、成功を導く石として中国で人気の品です。
親油性が高い
翡翠は親油性が高い宝石です。肌の油分と馴染むほどに艶が増していきます。
翡翠が「色が育つ宝石」と呼ばれるのも、親油性の高さによるものです。そのため、翡翠はしまい込んでいるより、身に付けたほうが美しさが増す宝石といえます。
手元に翡翠のアクセサリーがある場合は、ぜひ定期的に身に付けるよう心がけてください。肌の油分が翡翠を輝かせ、アクセサリーの価値をより高めてくれるでしょう。
乾燥が弱点
翡翠は親油性が高い一方で、乾燥に弱い一面があります。乾燥すると翡翠の中の油分や水分が蒸発し、石のにごりや欠け、割れの原因になるため注意が必要です。
日頃から身に付けたり、定期的に油分を補給したりすると翡翠の乾燥を防げます。表面が乾燥してきたと感じたときは、ごく少量のオリーブオイルをつけた柔らかい布で表面を拭き、油分を足す方法がおすすめです。
翡翠の種類
翡翠には、「ジェダイト」と「ネフライト」2つの種類があります。見た目はよく似ているものの、鉱物学的にはそれぞれまったく異なる石です。
宝石としての価値も、ジェダイトとネフライトでは異なります。宝石店で販売される翡翠はジェダイトが一般的です。価格帯もネフライトに比べ高額で「本翡翠」の名で古くから親しまれています。
ジェダイト
ジェダイトは硬玉(こうぎょく)とも呼ばれる翡翠です。主要鉱物はヒスイ輝石で本翡翠の名で知られています。
ジェダイトの大きな特徴は、カラーバリエーションが豊富なことです。鉱物の種類や割合により、緑色や白、黒などさまざまな色が生まれます。
鉱物の硬さを表す「モース硬度」は、6.5〜7です。他の石と比べると硬度は高くないものの、結晶構造が強靭で靭性が高く、ジュエリーとして十分な強度を兼ね備えています。
宝石店で翡翠として販売されているのはジェダイトが一般的で、ネフライトに比べ高価格帯にであることも大きな特徴のひとつです。
ネフライト
ネフライトは軟玉(なんぎょく)と呼ばれる翡翠です。透閃石(とうせんせき)や透緑閃石(とうりょくせんせき)などの角閃石(かくせんせき)からできています。
カラーバリエーションは少なく、緑色や暗緑色が一般的です。一方で、透明度が高く白色の「羊脂玉(ようしぎょく)」は高い希少性を有します。買取に出す際も、高額査定が期待できる品のひとつといえるでしょう。
翡翠の価値を決める4つの要素
翡翠の価値を決める要素は主に4つです。買取に出したい翡翠があるときは、これらの項目をチェックしてみてください。
-
色
-
産地
-
透明度
-
ランク
翡翠の産地やランクなどは、素人ではわかりづらい一面があります。確かな価値を知りたいときは、専門業者に査定を依頼するのがおすすめです。ジェダイトやネフライトの違い、希少性の高さなどを判断できます。
1.色
翡翠には緑や白、ラベンダーなどのカラーがあります。日本国内で一般的かつ人気の高いカラーは緑色です。なかでも、鮮やかで濃い緑色が好まれます。
「ろうかん」と呼ばれる鮮やかなエメラルドグリーンの翡翠は、翡翠の皇帝とも呼ばれる最高級の品です。また、国によって好まれるカラーは異なります。
アメリカやヨーロッパでは、ラベンダー色の翡翠が人気です。中国では透明度の高い氷翡翠が好まれます。翡翠ならではの色艶はもちろん、色ムラのなさも価値を決める重要なポイントです。
2.産地
日本の国石である翡翠の産地は、世界各国に存在します。なかでも価値が高いといわれているのが世界最大の産出国、ミャンマーの翡翠です。
中国と隣接するミャンマーのカチン州は、良質な翡翠が採れる地域として知られています。透明度の高さと美しい艶が特徴で、市場でも高値で取引される品です。
また、前述した羊脂玉は中国のホータン地区で産出されます。その他のネフライトはロシア産が多くなるでしょう。
3.透明度
透明度は、翡翠の価値を決める重要な要素です。透明度が高いほど翡翠の価値は高くなります。
手元に翡翠があるときは、裏側から照明器具やライトなどの光を照らしてみてください。色むらが少なく透明度の高いものほど質の高い翡翠といえます。
なかでも、緑色で透明度の高い翡翠は希少性の高い品です。緑色は日本国内で人気があり、買取時も高額査定が期待できます。
4.ランク
翡翠にはA貨からC貨まで3つのランクがあります。
A貨 |
研磨と蝋の含浸処理のみの天然翡翠 |
B貨 |
漂白と樹脂による含浸処理済の翡翠 |
C貨 |
着色されてできた人工翡翠 |
もっとも価値が高いのは、必要以上に手が加えられていないA貨の天然翡翠です。B貨、C貨の翡翠になると評価は大幅に下がります。
天然翡翠と人口翡翠の違いは、素人ではわかりづらいものです。見分け方は次章で紹介しますが、判断に迷うときは専門家への査定依頼をおすすめします。
翡翠の見分け方
翡翠は原石と人工物を見極めるのが難しい宝石です。見分けるためには以下のような方法があ
ります。
-
光に当てる
-
鑑別所を確認する
-
重量感を確認する
-
質感を確認する
手元の翡翠が本物か人工物か分からないときは、これらの項目を確認してみてください。もっとも一般的なのは光に当てる方法です。ここでは、それぞれの方法や見分け方のポイントを紹介します。
光に当てる
翡翠を光に当てると、色の濃淡や内包物を確認できます。塵(ちり)のような内包物のない翡翠は、人工物の可能性が高い品です。品物によっては、人工的な気泡が浮かんでいる場合もあります。
また、石目に沿って不自然に色が濃くなっている場合も注意が必要です。人工的に染料で染められている可能性があります。
本物の翡翠は、どれだけ透明度の高い品でも色の濃淡や内包物があるのが特徴です。品物によっては、内部にフェルト状や繊維状の結晶が絡まっている様子を確認できます。素人でも判断しやすい方法のひとつといえるでしょう。
鑑別書を確認する
翡翠の鑑別書には、加工の有無や透明度などが記載されています。手持ちの翡翠に鑑別書が付いている場合は、専門業者に確認してもらうのがおすすめです。内容を参考に翡翠が本物か人工物か見分けられます。
ただし、なかには鑑別書が偽物というケースもあるため注意が必要です。確かな価値を知りたいときは、鑑別書を添えて専門業者に査定を依頼してください。品物と鑑別書を照らし合わせ、翡翠の価値を判断できます。
重量感を確認する
本物の翡翠は、見た目よりも重たく感じられます。おすすめは、翡翠を投げ上げてキャッチする方法です。手のひらで受けた止めたとき重たく感じる翡翠は、本物である可能性が高くなります。
「キツネ石」と呼ばれる翡翠に似た石と本物を見分ける際も同様です。緑色のキツネ石は、海岸で採取できたり、翡翠の名で市場に出回ったりしています。
宝石店やアクセサリーショップで翡翠に似た商品を見かけた際も、手に取ったときの重量感を確認してみてください。本物か人工物かを見極める判断材料になります。
質感を確認する
重さとともにチェックしたいのが、翡翠の質感です。本物の翡翠がなめらかな質感であるのに対し、人工物は必要以上にツルツルとしています。
また、翡翠は硬度が高く自然の状態に近いものほど角ばっているのが特徴です。一方で、海岸で見つかるようなキツネ石は、波にもまれるうちに角が取れ形状が丸くなります。
とはいえ、重さや質感の違いは素人ではわかりづらいものです。あくまでも判断材料のひとつとして参考にしてください。
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まとめ
翡翠は緑色のほかにも、青色や白色などさまざまなカラーバリエーションを持つ宝石です。種類は2通りあり、ジェダイトは高い価値を有します。透明度の高い人気のカラーの翡翠であるほど高額査定が期待できるのが特徴です。
一方で、翡翠は本物と人工物の見極めが難しいといわれています。判断に迷うときは、専門家への査定依頼がおすすめです。
翡翠の買取を考える際は、専門知識を有する業者への依頼を検討してみてください。確かな価値をふまえた納得いく価格で、大切な翡翠を買取に出すことができるでしょう。
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