景徳鎮は、数ある焼き物の中でも格調が高く、中国の名高い皇帝たちを魅了してきた陶磁器です。中国国内だけではなく、日本やヨーロッパ圏にも輸出され、美しい景徳鎮は世界中で人気を博しました。今回は、景徳鎮の特徴や歴史をはじめ、取引相場価格について解説します。
【目次】
景徳鎮とは
景徳鎮の特徴
窯
絵付け
景徳鎮の取引相場価格
代表的な作品
景徳鎮の代表的な種類
青磁
白磁
青花磁器
色釉磁器
景徳鎮の歴史
元の時代
明の時代
清の時代
価値が高い景徳鎮の特徴
箱や書物など付属品が揃っている
100年以上前に製造されている
保存状態が良い
景徳鎮を売る場合の買取業者の選び方
買取店の歴史や鑑定士の経験を確認する
陶磁器の知識がある査定士がいるか確認する
各種手数料が無料か確認しておく
他のものも売るなら総合買取店を選ぶ
景徳鎮を少しでも高く売るためのコツ
鑑定に出すまでの保管に気をつける
鑑定書や付属品があれば揃えて鑑定に出す
修復は自分で行わない
売ると決めたら早めに鑑定に出す
景徳鎮の買取なら永寿堂にお任せ下さい
まとめ
景徳鎮とは
景徳鎮は、中国江西省東北部にある景徳鎮市の窯で製造された陶磁器です。焼き物の中でも格調高く、その美しさから中国の皇帝たちを魅了してきました。 国宝や重要文化財に指定される作品もあり、景徳鎮は文化的かつ歴史的価値にも優れた中国美術品です。
また、景徳鎮は日本やヨーロッパ圏など各国に輸出されています。日本の「伊万里焼」やドイツの「マイセン」など、景徳鎮の影響が見られる陶磁器もあるほど世界中で人気を博しました。世界の陶磁器に多大な影響を与えた景徳鎮は、陶磁器の最高峰といわれています。
景徳鎮の特徴
景徳鎮は、素地に白磁を用いて赤絵や青絵が描かれているのが特徴です。景徳鎮を焼く窯は2種類あり、皇帝向けと一般市場向けで使い分けられていました。景徳鎮の代表的な絵付けは「青花(せいか)」で、透明釉をかけて焼成する技法が使われています。ここからは、景徳鎮の特徴や取引相場価格、代表的な作品について詳しく確認していきましょう。
窯
景徳鎮には、官窯(かんよう)と民窯(みんよう)の2種類の窯が存在しました。民窯では一般市民向けの雑器が焼かれ、中国市民の間で使用されています。一方の官窯では、皇帝や皇宮が使用する陶磁器が多く作られました。民窯で焼かれた陶磁器は、日本やヨーロッパ圏など世界各国へ輸出されています。しかし、景徳鎮の人気が増して生産が追いつかなくなりました。
官窯と民窯の利用目的は完全に分離されていましたが、需要に応じるために、民窯でも海外に輸出する陶磁器を焼かせる「官民合同方式」が採用されています。官民合同方式によって質の高い磁器原材料と工芸技術が民窯に流れ、民窯は大きく発展し始めました。この流れは中国の製陶業に繁栄をもたらし、景徳鎮は陶磁器の最高峰といわれる高い地位を確立したのです。
絵付け
代表的な絵付けには「青花(せいか)」があります。青花とは青味を発色させる顔料のことで、文様を描いた白磁の素地に透明の釉薬をかけて焼成する技法です。日本では、「染付(そめつけ)」と呼ばれています。ほかにも、紅色の絵付けが施された「紅釉(こうゆう)」や透かし模様の「玲瓏(れいろう)」など、精巧な技術による装飾が施された絵付けがあるのも特徴です。
景徳鎮の取引相場価格
景徳鎮の取引価格は、3~100万円が相場です。景徳鎮の状態やデザイン、付属品の有無などに査定額が左右されるため、取引相場価格には幅があります。ただし、一般的に珍しいデザインの景徳鎮は、高額査定を受ける場合が多いです。高額買取を狙いたい場合は、作品の状態やデザイン、付属品の有無など、ポイントをおさえて査定に出すことが重要です。
代表的な作品
景徳鎮の代表的な作品には、次のようなものがあります。
-
祥瑞蜜柑水指(しょんずいみかんみずさし)
-
青花花卉文方瓶(せいかかきもんほうへい)
祥瑞蜜柑水指は、明代末期に作られた作品です。日本の茶人向けの注文によって焼かれた陶磁器で、精良な素地に細密な文様が描かれています。蜜柑水指は日本の茶人に珍重され、端整な姿と文様が高く評価されている景徳鎮の代表的な作品です。
青花花卉文方瓶は、清時代初期に景徳鎮民窯で作られた作品です。頸部分は竹、胴の四面には牡丹・蓮・菊・梅の四季花が描かれています。青花花卉文方瓶には、明末清初期の青花特有の線描きを広く塗る「濃(だみ)」が見られるのが特徴です。
景徳鎮の代表的な種類
景徳鎮の代表的な種類には、以下4つが挙げられます。
● 青磁
● 白磁
● 青花磁器
● 色釉磁器
いずれも見た目や作られた時代などが異なります。ここからはそれぞれの特徴を参考に景徳鎮への理解を深めていきましょう。
青磁
青色から緑色へと発色する釉薬をかけた陶磁器です。紀元前14世紀頃、殷時代の中国で誕生したといわれています。
景徳鎮が初期に製造していたのが焼き物で、前身である「昌南鎮(しょうなんちん)」と呼ばれていた時代は、特徴の乏しい青磁や白磁が製造の中心だったとされています。
白磁
白磁は日本を代表する焼き物「有田焼」の祖ともいわれる陶磁器です。青磁の素地と釉薬から鉄分を除くことで白色の器ができあがります。
景徳鎮の白磁の特徴は、青みがかった白青磁であることです。それまでの黄みがかった白磁と違い、表面が玉のように美しく「饒玉」と称賛されるほど上質な品だったといわれています。
北宋時代には朝廷により監鎮官が置かれ、景徳窯で宮廷献上用の陶磁器が生産されるようになりました。青白磁は影青磁とも呼ばれ、この時期に景徳鎮で生産された磁器の大半を青白磁が占めています。
青花磁器
景徳鎮でもっとも有名とされる陶磁器です。白の素地にコバルトを含んだ青色の顔料で繊細な模様が描かれています。
色鮮やかな青色は、透明な釉薬をかけ高温の窯で焼成することで誕生します。日本の伊万里焼や有田焼で見られる「染付(そめつけ)」と呼ばれる技法です。
絵柄は時代により異なり、花や鳳凰、龍、山川や人などさまざまなタイプが存在します。仕上がりは上品で美しく景徳鎮を象徴する種類のひとつです。
色釉磁器
釉薬は成分の違いにより焼成後の色に変化をもたらします。また、色合いによっては高温での焼成が必要です。
景徳鎮の制作技術は精巧を極め、明清時代にはさまざまな色釉を作り出したといわれています。ベーシックな白地や青磁のみならず、色釉による色鮮やかな陶磁器が存在することも景徳鎮の特徴であり魅力のひとつといえるでしょう。
景徳鎮の歴史
景徳鎮には、1,000年を超える長い歴史があります。景徳鎮の代表的な絵付けである青花の起源は定かではありませんが、歴史を遡ると景徳鎮の始まりは元の時代といわれているのです。元の時代が過ぎると、個性ある作品が多く生まれた明の時代 、格段に陶磁器の質が向上した清の時代へと続いていきます。ここからは、景徳鎮の歴史について詳しく確認していきましょう。
元の時代
景徳鎮の始まりは定かではありませんが、元以前に青花が使われた出土品がないため、景徳鎮の始まりは元の時代だといわれています。この時代は白磁に鉄釉で絵を書く白磁鉄絵が作られており、それが景徳鎮が誕生したきっかけと考えられているのです。元の時代は、水差しや大鉢など青花磁の器形の種類が増え、さまざまな文様が取り入れられています。
明の時代
明の時代に入ると陶磁器は景徳鎮が主流で、大量に作られていました。そして、明の全盛期をもたらした永楽帝が世を治めると、個性ある作品が生まれ始めます。また、オリエントな陶磁器から中国特有の陶磁器へと大きな方向転換が見られるのも特徴です。
しかし、明初期の古墓からに出土される陶磁器に青花はほとんどありませんでした。公式の儀礼に使用されるのは、格式高い白磁でなければならないと考えられていたためです。
清の時代
清の時代に入ると焼造量が飛躍的に増大したことに加え、質の良い材料が輸入されはじめて品質が格段に上がりました。上絵に種々の色を使用する五彩をはじめ、各種の色絵磁器が盛んに作られています。しかし、軍備や宮殿の再建費用の影響によって中国の経済がひっ迫し、皇室に納める高級品を生産する御器廠(ぎょきしょう)の焼造停止が命じられました。
一方、御器廠の焼造から解放された陶官たちは、思いのまま青花の絵付けを楽しんでいたようです。清の時代には、陶官たちが自由に制作した開放感のある作品が多く残されています。
価値が高い景徳鎮の特徴
世界中の人を魅了してきた格調高い景徳鎮ですが、取引相場価格は状態や付属品の有無などで左右されます。高価買取を狙う場合は、ポイントを踏まえて査定に出すことが重要です。価値が高い景徳鎮の特徴には、次のようなものがあります。
-
箱や書物など付属品が揃っている
-
100年以上前に製造されている
-
保存状態が良い
それぞれの特徴を詳しく確認していきましょう。
箱や書物など付属品が揃っている
高額査定を受ける景徳鎮は、箱や書物など付属品を揃えた状態で出していることが多いです。数ある中国陶磁器のなかでも人気の高い景徳鎮は、付属品があるものから優先的に売れていきます。それだけ需要が高いことを意味するため、箱や書物など付属品を揃えた景徳鎮は高額査定を受けやすいです。付属品の有無で景徳鎮の価値が変わるため、査定前に必ず確認しましょう。
100年以上前に製造されている
基本的に骨董品は、年代が古いものほど価値が高くなります。景徳鎮も同じで、100年以上前に作られたものは高額査定になる場合が多いです。とくに、景徳鎮には1,000年を超える長い歴史があり、元・明・清の時代に作られた陶磁器は希少価値が高くなります。骨董品の年代は共箱や鑑定書などに記載されており、いつ作られた作品なのかを確認することが可能です。
保存状態が良い
高額査定を受ける景徳鎮は、基本的に保存状態が良いものです。陶磁器は繊細な美術品で、保存状態が悪いと破損や劣化を招いてしまいます。査定時にマイナス評価を受けるため、なるべく綺麗な状態で保管することが大切です。自宅で保管するときは、直射日光と湿気に注意しましょう。
直射日光が当たる場所に保管すると、紫外線による色褪せや黄ばみなどが発生します。また、景徳鎮は土から作られているため、吸収性が高いです。湿気が多い場所で保管すると空気中の水分を吸い取り、ひび割れや欠けが発生するおそれがあります。
景徳鎮を売る場合の買取業者の選び方
景徳鎮のを売るために買取業者を利用する場合、気を付けたいのが業者の選び方です。具体的には、以下の4点に気を配る必要があります。
● 買取店の歴史や鑑定士の経験を確認する
● 陶磁器の知識がある査定士がいるか確認する
● 各種手数料が無料か確認しておく
● 他のものも売るなら総合買取店を選ぶ
手元に景徳鎮があるものの、確かな価値がわからないときこそ業者選びは重要です。手数料の有無や店舗の業態なども含め、自身が納得できる業者への査定依頼を検討してください。
買取店の歴史や鑑定士の経験を確認する
まず大切なのは、買取店の歴史や鑑定士の経験を知ることです。長年経営を続けているのであれば、それだけ周囲に信頼された店舗といえるでしょう。
買取実績を含めた経験の有無もチェックポイントです。可能であれば、扱っている買取品目や査定額なども確認してみてください。
景徳鎮を買取に出すのであれば、古美術を扱う買取業者がおすすめです。また、以下に続くように査定士の知識も重要なポイントといえます。
陶磁器の知識がある査定士がいるか確認する
実際に査定するスタッフに景徳鎮の知識がなければ、正確な査定額は提示できません。買取先は陶磁器に関する専門知識を有した業者を選びましょう。
陶磁器に精通する査定士が在籍していれば、市場のニーズや動向に応じた査定額を提示できます。自分では価値が分からない品であっても、専門家の査定により思わぬ額がつくケースもあるかもしれません。
確かな価格で大切な品を売るためにも、査定士の知識はぜひ確認してください。
各種手数料が無料か確認しておく
業者によっては査定料や買取時の手数料が必要です。利用前は、それらの有無をきちんと確認しておきましょう。
買取方法により生じる手数料にも注意が必要です。宅配買取は送料、出張買取には出張料が生じる可能性があります。査定額に納得いかなかったケースを考えると、宅配買取は送料無料の業者が安心です。
不用な景徳鎮を売りかえって損をしてしまった、ということのないように細かな手数料も業者選びの材料のひとつとしてください。
他のものも売るなら総合買取店を選ぶ
引越しや家財処分など、ケースによっては景徳鎮以外に売りたいものがあるかもしれません。この場合は総合買取店を選ぶと便利です。
総合買取店では、衣類や電化製品、書籍など幅広い商品を買取対象としています。出張買取可能な店舗であれば、大量の荷物を業者に運ぶ必要もありません。より手軽にまとめて不用品を処分したいときに便利です。
ただし、店舗によっては陶磁器に関する知識を有していない場合があります。高価な景徳鎮が安値で取引されてしまう可能性もあるため、メリットとデメリットを比較したうえで検討してください。
景徳鎮を少しでも高く売るためのコツ
景徳鎮を少しでも高く売るためには、以下のコツを意識してみてください。
● 鑑定に出すまでの保管に気をつける
● 鑑定書や付属品があれば揃えて鑑定に出す
● 修復は自分で行わない
● 売ると決めたら早めに鑑定に出す
保存状態や付属品の有無に気を付ければ、より高い査定額が期待できます。手元の景徳鎮の価値がわからない場合も、これらのコツをふまえて専門業者へ査定依頼をすることをおすすめします。
鑑定に出すまでの保管に気をつける
買取市場では状態が良い品ほどより高い査定額が見込まれます。景徳鎮を買取に出す際も、保管状態にはじゅうぶん気を付けましょう。
日常的に使う品でなければ箱に入れて保管するのがおすすめです。直射日光を避けることで色褪せのリスクも軽減できます。カビを生じさせないよう、保管場所は湿気が少なく風通しのよい場所を選んでください。
鑑定書や付属品があれば揃えて鑑定に出す
鑑定書や付属品は、品物の価値を証明する大切な役割を持ちます。それらが揃っている場合は、ぜひ景徳鎮に添えて査定に出してください。
陶磁器に関する知識を有する業者であれば、鑑定書や付属品の情報を参考に確かな額を提示できます。付属品である箱に製造された時代や種類を知るヒントが隠れているかもしれません。不要な品と判断し、捨ててしまわないようにくれぐれも注意してください。
修復は自分で行わない
状態の良さは査定額に影響すると前述しましたが、無理な修復には注意が必要です。自分で修復することで、かえって傷が大きくなってしまう可能性があります。買取に出す前はホコリや汚れを軽く拭き取る程度にとどめ、無理な修復には手を出さないようにしましょう。
古い景徳鎮であれば、ヒビや傷があっても希少価値が評価されるケースが考えられます。鑑定書や付属品が揃っている場合も同様です。品物の確かな価値を判断するためにも、なるべくそのままの状態で買取に出すように心がけてください。
売ると決めたら早めに鑑定に出す
不用な景徳鎮が手元にある場合は、なるべく早めに鑑定に出すことをおすすめします。迷っている間に品物の価値が下がってしまうケースが考えられるからです。
日常的に飾る壺などと違い、茶器や皿などの実用品の場合は「いつか使うかも」と長期間保管するケースも多いかもしれません。その間にトラブルで割れが生じたり、経年劣化で色褪せしたりする可能性も考えられます。
業者によっては骨董品以外のさまざまな品の買取サービスを展開しています。景徳鎮だけを買取に出すために手間をかけたくない、という場合は断捨離や不用品処分を兼ねた買取利用もおすすめです。
景徳鎮の買取なら永寿堂にお任せ下さい
骨董品買取の永寿堂では多種多様な骨董品の買取実績があり、丁寧な査定によって業界トップクラスの高価買取を実現しています。とくに、保存状態が良くて希少性の高い景徳鎮は、高価格での査定が可能です。お手元に買取を検討する景徳鎮をお持ちの場合は、中国美術の買取り店である永寿堂に一度ご相談ください。
骨董品買取専門店 永寿堂へのお問い合わせ先
・TEL:0120-060-510
・メールフォーム:https://www.eijyudou.com/contact/
・LINE ID:@721crjcp
まとめ
景徳鎮は数ある中国磁器のなかでも格調高く、世界中の人々を魅力してきた陶磁器です。国宝や重要文化財に指定される作品もあり、文化的かつ歴史的価値にも優れています。
100年を超える長い歴史のある景徳鎮は、骨董品としての需要が高く、保存状態が良くて希少性の高いものの場合は高価格での査定を受けることが可能です。買取を検討する景徳鎮をお持ちの場合は、プロの鑑定士の査定を受けてみてはいかがでしょうか。
骨董品コラムの
ピックアップ記事
2024.04.03
茶道具と骨董品の世界!歴史と美の交差点を探る
2024.01.25
骨董品で高く売れるものは?その特徴やおすすめできない売却方法もご紹介!
2022.05.18
骨董品の種類まとめ|価値のあるものの特徴や高く売るためのポイントを解説
2024.04.26
価値ある骨董品とは?有名な骨董品作家についてご紹介!
2024.01.05
骨董品の買取相場はいくら?買取時のポイントや買取方法などを解説!
2024.03.30
なぜ骨董品の需要が高いの?需要の秘密と価値を高めるコツもご紹介!
2024.10.04
高い買取価格を期待できる銀瓶の特徴とは?買取業者を選ぶポイントも紹介
2024.08.28
盆栽鉢を高価買取してもらうポイントは?買い取り業者の選び方も解説
2023.01.07
書道具の買取相場は?高く売れる書道具の特徴や高く売る際のポイントも解説
2024.03.24
仏具の買取相場は?高く売却するポイントや仏壇を買取りできるかなど解説
2023.10.06
景徳鎮とはどんな陶器?特徴や歴史、高価なものの見分け方をご紹介